塩化銅水溶液に電気を流して、炭素棒に銅を析出させる実験があります。
この実験の後、この炭素棒にくっついた銅をどうしていますか?
別のクラスで、再びこの炭素棒を使うためには、このくっついている銅を取らなければなりません。
もし、それが次の授業ならば、休み時間の10分で全部の炭素棒をきれいにする必要があります。
1本1本、紙やすりを使って銅を削り取っていたのですが、なかなか取れないしつこい銅もあるし、手は真っ黒になるしで、なかなか大変なんです。
そんな時、先輩の先生が言っていた言葉を思い出しました。
「硝酸を使うのです」
塩酸にも硫酸にも溶けない銅ですが、硝酸なら溶けます。
硝酸はちょっと扱うのが恐くて、今まで使用しませんでしたが、今回試しにやってみました。
まずは、試験管に半分ほど濃硝酸を入れ、そこに炭素棒を差し込みます。
炭素棒についているゴム栓が、ちょうどぴったり試験管にはまりました。
そして、試験管を数回振ってみると、
「お~!取れてる!取れてる!」
きれいに銅を取ることができました。
そして、硝酸は溶け出した銅イオンのために、きれいな緑色になっていました。
シャープや鉛筆の芯を使う方法や、電気分解の+・-を入れ替える方法などが紹介されていますが、硝酸を使う方法もありかなと思いました。
ただし、濃硝酸ですので、試験管を振るときには十分注意する必要があります。
時間がなくても、安全第一です。